2016年10月15日、CSファイナルステージ第4戦、広島対横浜は8-7で広島が勝利。この瞬間ベイスターズの2016年の戦いが終わりました。
広島東洋カープ、本当におめでとうございます!今年の広島は強すぎた!投打に素晴らしいメンバーが揃い、ものすごい勢いで駆け抜けていきました。この勢いをそのままに、日本一を獲って欲しいと思います。頑張れ広島!
さて、その一方で横浜ベイスターズも負けてはしまいましたが、素晴らしい戦いをしてきた1年だったと思います。今日はそんな1年間を振り返った思い出を忘れないうちにまとめておきたいと思います。
思い起こせばずっと弱かったベイスターズ
ボクが応援している横浜ベイスターズは、野球をちょっとでも見ているなら知っているだろう弱小球団だ。
ベイスターズはとにかく弱かった。年間通して戦い抜く優勝争いも、いち早く抜け出し?5月終わるくらいには負けに負けを重ね、自立優勝は消滅する球団だった。イチローの打率よりも勝率が低いなんて笑われることもよくあった。
そんなこともあり、横浜(大洋)のファンは忍耐強い。と言うか、感覚が麻痺していたw負けても特になんとも思わない。「あ、いつもの横浜だね」と平常心を保っていられる。むしろ連勝なんかしたものなら逆にそわそわするぐらいだw
そんな弱い球団だからスタジアムはいつもガラガラだった。スタジアムに行ってもバックネット裏なんてガラガラ。指定席なんて形だけで、どこでも席は選びたい放題だ。座席で寝っ転がりながら野球を見ることも余裕で出来たのが今となっては懐かしい。
とにかく弱い球団だったから、選手もやる気がでないんだろう。当時の横浜はいい選手は外にすぐ出てしまう。出来る人ほどやめてしまうブラック企業みたいな球団だった。
6回ぐらいになると選手にやる気は見られず、「さっさと試合終わらせて焼肉でも食いに行こうぜ−」と言わんばかりの怠慢プレーwそれでも横浜ファンは横浜が好きで、僅かな希望を頼りにずっと応援し続けてきたんだ。
DeNAによる買収とキヨシの登場
そんな弱い球団にDeNAと中畑清という光が生まれた。買収騒動があった当時のボクと言ったら
「DeNA?モバゲーだろー?いやいやプロ野球運営舐めるなよw」
「スタメンはガチャで決めるのかよw」
「モバゲーベイスターズとかゲイスターズって呼ばれるの目に見えてるやんwww」
と正直バカにしてた。キヨシに関しても、監督経験ない讀賣のやつとかホント勘弁だわと敬遠してた。思えばファン自身にも負け癖がみっちり染み付いていたんだろう。弱い球団から変わるのがなんとなく怖かったのかもしれない。
毎試合終わったら、球場の電気を落としてライトアップされるヒーローインタビュー。この演出だけでも相当テンションが上がる
でも、そんな弱い球団と向き合い、1から体質を改善してくれたDeNAには、本当に頭が下がる思いだ。
DeNAは横浜の街に根ざしたプロ野球球団の運営を真剣にやってくれた。横浜市の幼稚園、小学生全員に帽子を配ったり、横浜スタジアムの座席を変えたり、イベントを色々企画したり。他のどの球団よりもスタジアムに行く楽しさを作ってくれたと思う。
お陰で2016年は最もチケットが取りづらい球団と呼ばれるようになった。だって1ヶ月後のチケットを取ろうと思ってもほとんど席がなくなってる状態だもん。
また、横浜DeNAベイスターズの初代監督、中畑清の功績は計り知れないものがあると思う。
弱いチームを本気で変えようとしてくれた。選手と本気で向き合い、選手を信じつづけた。キヨシのおかげて花開いた選手も多いし、選手の態度も見違えるように変わってきた。
大勢のファンの前で野球ができる喜びに気づかせ全力プレーをする選手たち。全力プレーを見たくて球場に足を運ぶファンたち。お互いが相乗効果となって横浜の街全体が盛り上がった。この状態を作ったのは間違いなく中畑清、この男だろう。
監督の交代と三浦大輔の引退。
2015年ここまで横浜を強くしてくれたキヨシが監督を去った。2015年シーズン半ばにして単独首位。一時は貯金が11もあり、今までにない強さを見せつけてくれたが、シーズンが終わったら順位はいつもどおりの最下位。来年なら絶対もっと上を目指せる!キヨシやってくれ!と思っていたが、キヨシのプライドが許さなかったのだろう。
そして今年に入って就任したラミレス監督。思い起こせば4月の成績は酷いものだった。先発投手陣は踏ん張っても噛み合わない打線。怪我による離脱。あれよあれよと借金は膨らみ5月には全セリーグの借金を背負っている状態だった。
「またいつもの横浜だな」ファンが諦め始めていた中、ラミレス監督は諦めていなかった。
「まだひっくり返せる」
この後梶谷が戦線復帰し、勝ちを着実に積んでいった。序盤から良かった先発陣に打線が乗ってきた。打線はつながり、点が入る。ピッチャーがしっかり押さえる。結果、去年のように貯金があるわけではなかったけど、いつの間にかAクラス入りをしていた。
「オレたちは強い!!」そんなスラムダンクの名言のような強い自身が、選手にもファンにも生まれてきた。ずっと弱かったベイスターズも強いと胸をはって言える!こんな変化がみんなに生まれた年だった。
そんな強いチームになると、どうしても出れなくなってしまう選手も出てきてしまう。全員で戦っていても、誰かはチームを離れてしまわなければいけない。まさかあの人がやめるなんて。三浦の引退には衝撃をうけた。嘘だと言ってほしかった。
でも三浦も横浜が強いチームに慣れて嬉しかったんだろう。希望ある若手が台頭してきて自分の居場所がなくなってきた。さみしさもありながら、やっといいチームになった。最後はそんな安心感を持って最後のマウンドを降りたに違いない。
そして夢のCSへ。みんなの夢はこれからも続く。
12球団の中で唯一CSを経験していなかった横浜。ついに夢のCSの舞台だ。舞台はハマスタではなかったけど、心は1つ。横浜スタジアムではパブリックビューイングも開催され、多くのファンが集っていた。
横浜の選手たちは最後の最後まで気迫溢れるプレーをしてくれたと思う。1つでも多く勝つために怪我をしてでも全力で白球を追う姿を見て。また選手たちを応援し、野球を楽しめることがこんなに幸せだなんて思いもしなかったよ。
2013年のベイスターズのセレモニー動画。キヨシが語った言葉が今となっては本当に印象的だ。
「野球ってたのしいし、野球って悔しいし、野球って悲しいしさ、野球って感動の塊だもん」
まさにこの言葉を体現したような2016年だった。1つづつ成長している横浜。本当に今シーズンお疲れ様でした。来年も感動を味あわせてください!野球最高!!