固め濃い目

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ハイスタンダードとメロディックパンクとボク

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ハイスタンダードが2016年10月4日に新譜をゲリラ発売した。青春時代の音楽はメロディックパンクに傾倒していたボクからするとこれはとてつもないニュースだった。

 

ずっと、いつかCDを出すと信じていてようやくその日が来たのだ。しかもプロモーション無しのゲリラ発売という手法で。いつまで経ってもインディーズスピリットを忘れない最高にパンクでハイスタらしいやり方だなと思った。

 

ボクの大学時代の音楽シーンは本当に楽しかった。いわゆるオリコンなどのヒットチャートに並ぶ音楽を買うのではなく、本当に好きな音楽を自分で探す時代だったと思う。

 

当時はボクのまわりは大きくわけてパンクロック派かヒップホップ派と宗派が別れていて、それぞれのシーンの盛り上がりはすごかった。音楽シーンがファッションにまで伝播し、形成されたのが裏原ブランドブームだと認識している。音楽シーンとファッションシーンが密接に繋がりあい、双方がものすごい盛り上がりを見せていた。

 

ファッションブランドの主催するライブイベントなども頻繁にあったり、バンドをやりながらファッションブランドを立ちあげる人もいた。しかも飛ぶようにブランドが売れた。

 

音楽シーン、ファッションシーンに共通していたのは、一般的なメディアには踊らされないアンダーグラウンドなカルチャーであったと思う。

 

 

当時はネットもそこまで発達しておらず、音源や服を手に入れようと思ったら現地まで足を運ばなければいけない時代だった。ネットで購入するチャネルと言えばヤフオクぐらい。当時のヤフオクには入手困難な音源や洋服に、目が飛び出るほどの値段がしたし、月の洋服に数万かけるのも普通だった。もちろんバブルではないので、単にバイトで稼いだ金の大半がファッションに流れるという今では考えられないような生活をしていたのが懐かしい。

 

 

そんな自分でいいものを見つけ出す時代だったので、CDショップには足しげく通った。好きになったバンドから横展開してもっと好きなバンドを見つけるのは楽しかった。今のバンドをやる前に結成していたバンドの音源を探したり、お宝を探す感覚に近い。

 

 

ボクはといえば、ハイスタンダードがPIZZA OF DEATHを立ちあげる前に所属していた、SNUFFY SMILEというレーベルの音源ばかり探してた。ハイスタンダード以外のバンドで有名どころで言うと、HUSKING BEEやらSHERBETとか。

 

このレーベルは大手CDショップ等には在庫をおかず、ディスクユニオンとかの小規模な店に、全国で1000枚ほどしか流通させない事や、目立った販促活動をしないアンダーグラウンド精神を貫くレーベルだった。

 

ここからCDをだしているバンドも本当にかっこよくてよくライブにも足を運んだ。そこでまたかっこいいバンドに出会えたり。

 

例えばこんなバンド

https://youtu.be/_UXJYo4jW9o

https://youtu.be/7ygfUb9We-0

https://youtu.be/VZQweduK2Ug

 

どれもこれも本当に擦り切れるほど聞いたいい思い出だし、未だに聞いてもかっこいいと思う。

 

時は流れ、インターネットの時代。どこにあるかわからない本当に好きなものを探し出す時代は終わり、今は検索ボタンを押せば見つかる時代だ。

 

もちろん便利に活用しているし、ネットなしの生活は考えられないけど、ネットによって聞く音楽やファッションもずいぶん変わった。

 

服は検索すれば正規品が定価で売られ、音楽はボタンを押せば再生される。自分で発掘するというよりもネットがおすすめしてくれる時代。裏原ブランドになんであんな値段を出してたのかといつも笑い話になる。 本当に便利だけど昔を懐かしむとちょっとさみしい気もする。年取ったなぁw

 

そんな中ハイスタンダードは新譜をネット配信なし、プロモーションなしのゲリラ発売をした。聴きたくても聴けない、どこに売ってるかわからない!仕事しててもなくなるんじゃないか!とソワソワする。この時代にこんな感覚を味わえるなんて本当にパンクなバンドだなと改めて感じた。

 

ありがとうハイスタンダード。また音楽を聴く楽しさを思い出させてくれて。